注文住宅を計画するときは、一応すべてのキッチンの間取りを検討するのがおすすめです。
「L字型に興味が無かったけど総合的にプランニングしてみたら、ライフスタイルに実は一番マッチした」
「アイランドキッチンはやめておけと聞くからペニンシュラ型で検討してみたけど、モデルハウスで使い勝手を体験してみたら問題ないことが分かった」
などがあるかもしれません。
ウチはアイランドキッチンですが、使い勝手が良く採用して良かったと思っています。
ではこのページで、キッチンの間取り、形状ごとの特徴をチェックしていきましょう。
このページの目次
キッチンの間取りは、クローズ型(独立型)かオープン型があります
まずキッチンはクローズ型かオープン型の間取りに大別されます。
クローズ型間取りの特徴
キッチンを壁で区切り、他の部屋と独立させています。
ダイニングとの仕切り扉アリなら完全個室型となり、来客時など外部との接触をブロックしたい場合に有効です。また無しのパターンなら家族と声だけのやり取りで調理中もコミュニケーションが図れます。
キッチンがリビングと目線が通る場合は扉を付ける、そうでない場合は扉無しにするなど、間取りに応じて検討することになります。
クローズ型(独立型)のメリット
- 調理中の姿を隠すことができる→隠し味を絶対知られたくない場合に有効!
- リビングや客間から見えない構造なので、来客があっても、隠れながら作業できる
- 匂いを遮断しやすい→魚を焦がしてもバレずに焼き直しが可能…かも
- 物がごちゃっとしていてもリビングから見えないから、残念な気持ちにならない
- 収納棚が作りやすい&部屋全体が収納庫(パントリー)のように使える →リビングから見えないのでオープン棚を多くできる、道具・食品が取り易く作業効率アップ
クローズ型(独立型)のデメリット
- 調理中、家族の会話ができなくなる
- 火をかけたままリビングに出てしまい、もし忘れちゃうと、惨事が起きる危険性が
→火災報知器は必ず設置しましょう - 匂いを遮断できる分キッチンに充満します
→換気計画をきっちりやれば克服可能です - 小さい子供がいる家庭は様子が見えないので調理中不安になる
→一部ガラス張りにすれば克服可能、カーテンを設ければ目隠しもできますよ - 食卓への動線が長くなり、配膳時に衝突の危険性も
【克服案】食堂のような配膳用の開口を設けてみては?
これらデメリットを解決する案として、ガラス張りでクローズ型なんてのもカッコいいですね!
http://www.voyagesautourdemacuisine.com/
リフォームに備えたご提案
新築でクローズ型を採用する際は、十数年後、リフォームでオープン型対面キッチンに変える可能性も考え、撤去しやすい間仕切り壁にした方が良いでしょう。
好みや家族の状況は変化していきますから。
コンクリートでガチガチにしたり、柱や耐力壁などの構造体で仕切ると、リフォームが難しくなります。
オープン型間取りの特徴
ダイニングを仕切る壁が無く空間が一体化しているタイプです。
キッチン本体は壁付けか対面式があります。
TOTO
また、こちらの例のように、レンジフード側に油はねや油煙飛散防止目的などで一部壁を設けたタイプは「セミオープン型」と呼ばれます。
LIXIL
壁付けと対面式に分けてメリット・デメリットをまとめます。
オープン型&対面キッチンのメリット
- 対面式に共通するメリットで、調理中家族と顔を見ながら会話ができます
- もし火をかけたままリビングなどで別作業しても、鍋の様子がすぐわかるので、ながら作業がしやすい(火をかけたまま離れるのは危険ですが、煮物などはこうなりますよね…)
- テレビを見ながら調理や洗い物ができる
- 小さい子供がいる場合、子供の様子を見ながら調理できる
- 食卓への動線が短いので配膳が容易、子供たちにも手伝ってもらえます
オープン型&対面キッチンのデメリット
- 調理中の姿が見えたままなので、来客があった場合、こっそり作業できない
→来客が多いご家庭なら客間を作る事を検討しては - 物が散乱しそれがリビングから見えてしまうと、残念な気持ちになる
→リビング側に収納棚を設置、キッチンの天板よりも高いカウンターを設け調理場側の手元を隠す - 収納がクローズ型と比べて少ない
→不要な物は置かない、使用頻度が低い物は別の収納庫へ移動させる
オープン型&壁付けキッチンのメリット
- 省スペース、リビング側のスペースを広くとれる
- 低コスト!
- 使い慣れている(賃貸マンション・アパートで最も多いタイプなので使い慣れているはずですね…)
オープン型&壁付けキッチンのデメリット
- 調理中に家族と顔を見ながら会話ができない
- テレビを見ながら調理・皿洗いができない
- オシャレさが低い(天板・扉のグレードを上げるなどすればオシャレ度は多少上げられます)
キッチン本体の形状別の特徴
キッチンの間取りは、クローズ型とオープン型がありました。
次は、その間取りに収めるキッチン本体の形状は、一般的に次の種類があります。
この基本形状を複数組み合わせることも可能です。
L字+ペニンシュラ
Ⅱ型+アイランド
Ⅱ型を一方の作業台や調理器具でつなげてU字型に
など。
面積・間取り・使い勝手・好みと相談して最適な形状検討してください。
キッチン本体の形状別に特徴を整理します
I型キッチンの特徴
I型の例:TOTO
調理機器(ガスコンロまたはIHクッキングヒーター)とシンクと調理台が横一列に並んだ配置になっています。ほぼ壁付け(オープン型の例で言えば調理・洗い物時にリビング・ダイニングに背を向けた立ち位置)になります。キッチンの面積があまり取れない場合やキッチンのコストを抑えたい場合に採用されます。
最大の特徴:省スペース、低コスト
よくある間取り:クローズ型、オープン型(壁付けタイプ)
Ⅱ型キッチン(セパレート型)の特徴
Ⅱ型の例:パナソニック
調理機器とシンクが別々の台に分かれて、お互いの台が平行に並んだ配置になっています。調理機器かシンクの一つがリビングに向かって対面式に、もう一方が壁付けになります。I型にすると十分な横幅が取れない場合に採用されます。副次的におしゃれ感が増します。
最大の特徴:開放感と作業動線の良さ
よくある間取り:クローズ型、オープン型
L字型キッチンの特徴
L字型の例:LIXIL
調理機器とシンクが90度傾いた配置になっています。調理器具・シンクともに壁に向かった壁付けタイプか、調理機器またはシンクの一方がリビングに向かった壁付け+対面式(壁付け型+ペニンシュラ型)があります。面積をかなり使うのでクローズ型にするのはきついです。
最大の特徴:調理動線が良く作業効率が高い
よくある間取り:オープン型/壁付けタイプ、対面タイプ
ペニンシュラ型キッチンの特徴
ペニンシュラ型の例:パナソニック
調理機器とシンクがリビングに向かって横一列に並んでいます。I型壁付けがリビングに向かった配置です。
そしてキッチンの左右どちらかが壁にくっついています。ペニンシュラ(Peninsula)とは「半島」という意味の英語で、空間に向かって壁から突き出た形からこのように呼ばれています。
作業台と背面の壁とのスペースが十分に取れていない場合、奥様とお姑さんと同時に作業すると作業に支障が出ます。よけい気を使う状況にも…?
最大の特徴:開放感やオシャレさ、家族と会話をしながら調理できる
よくある間取り:オープン型
アイランドキッチンの特徴
アイランド型の例:TOTO
ペニンシュラ型と同様、調理機器とシンクが横一列に並んだI型壁付けがリビングに向かった配置です。
そしてキッチンの左右どちらも壁から離れ、「島」になっていますので、キッチン周りをぐるぐると回遊できます。他のタイプとは群を抜く見た目のインパクト・開放感があります。
最大の特徴:開放感やオシャレさ、どこからでも回り込める動線の良さ
よくある間取り:オープン型
こちらのようなプランニング無料ツールもありますので、レイアウトとコストの検討に役立ちます。
TOTO:キッチンプランナー
まとめ
このページではキッチンの形状について解説してきました。
要点をまとめると次の通り。
- クローズ型とオープン型の特徴比較
- Ⅰ型キッチンの特徴
- Ⅱ型キッチンの特徴
- L字型キッチンの特徴
- ペニンシュラ型キッチンの特徴
- アイランドキッチンの特徴
家の中心は「キッチン」である、とも言われます。
ライフスタイルに一番しっくりくるキッチンをじっくり検討しましょう。